「ボスキャリは内定が出やすい」と聞く一方で、「優秀な留学生ばかりで競争が激しいのでは?」と不安に感じている皆さんも多いのではないでしょうか。
実際のところ、ボスキャリは国内の就職活動と比較してどれくらいチャンスがあるのか。データ上の数字と、現場のリアルな肌感覚の両面から解説していきます。
日本国内の新卒「内定率」との比較データ
まずは客観的な数字を見てみましょう。ボストンキャリアフォーラムと日本国内の一般的な就職活動を比較すると、非常に興味深い事実が見えてきます。
| 項目 | ボストンキャリアフォーラム | 国内就職活動 |
|---|---|---|
| 参加学生数 | 約5,000〜6,000人 | 約420,000人 |
| 応募可能企業数 | 約200社 | 約20,000社 |
| 募集人数 | 約1,000人(推定) | 約730,000人 |
| 1社あたりの平均募集数 | 約5人(推定) | 約37人 |
| 求人倍率 | 0.20倍 | 1.74倍 |
※国内就職活動の統計数は、リクルートワークス研究所の公表値を参考にしています。
この表を見て驚いた方もいるかもしれません。単純な求人倍率(学生1人あたりに対する求人数)だけを見ると、国内就活が「1.74倍」であるのに対し、ボスキャリは「0.20倍」。数字上は、国内就活の方が圧倒的に内定を取りやすいように見えます。
「じゃあ、ボスキャリに行く意味はないの?」
いいえ、決してそうではありません。この数字には「質のカラクリ」があります。国内の2万社には中小零細企業も大量に含まれていますが、ボスキャリに参加する200社は、そのほとんどがグローバル展開する大手人気企業や優良企業です。
つまり、ボスキャリは「求人倍率は低く見えるが、トップティア企業へのアクセス権が凝縮されている」場なのです。
数字では見えない「ボスキャリ」ならではの3つのメリット
統計上の不利を覆してでも、皆さんがボスキャリに参加すべき理由は、以下の「構造的な違い」にあります。
| 項目 | ボストンキャリアフォーラム | 国内就職活動 |
|---|---|---|
| 就職活動の期間 | 最短3日間(事前選考含む) | 数週間〜数ヶ月 |
| 応募可能な企業 | 日系・外資の有名企業が中心 | 中小零細から大企業まで様々 |
| 面接までのプロセス | 書類選考通過・ウォークイン | 書類選考通過が必須 |
違いその1:選考スピードが異常に速い
最大の違いは、内定までのスピード感です。国内の就活では、会社説明会、エントリーシート、筆記試験、グループディスカッション、複数回の面接……と、内定までに数ヶ月かかるのが一般的です。
しかし、ボスキャリは「短期決戦」が前提です。事前の書類選考を通過していれば、現地での面接は最短2回程度。早ければ面接を受けたその日のディナーで内定(オファー)が出ることも珍しくありません。この「即決スタイル」は、忙しい留学生の皆さんにとって最大のメリットです。
違いその2:有名企業への「実質倍率」が低い
前述の通り、ボスキャリ参加企業は人気企業が中心です。もし日本国内でこれらの有名企業にエントリーしようとすれば、何万、何十万という学生との競争になります。いわゆる「学歴フィルター」や「ESの山」で埋もれてしまうリスクも高いでしょう。
一方、ボスキャリの参加者は5,000〜6,000人程度。ライバルが圧倒的に少ないのです。いくら人気企業といえども、母集団が少ないため、1社あたりの応募者数は多くて数百人程度。国内選考に比べて、採用担当者にしっかりと自分を見てもらえる確率は格段に高まります。
違いその3:「ウォークイン」という敗者復活戦がある
国内就活では、書類選考で落ちてしまえば、その企業の担当者と会うことは二度とできません。
しかし、ボスキャリには「ウォークイン(Walk-in)」という独自の文化があります。これは、事前の書類選考で落ちてしまった、あるいは申し込みそびれた企業であっても、当日に履歴書を持ってブースを直接訪問し、「面接してください!」とアピールできる仕組みです。
実際に、「事前Web選考では落ちたけれど、現地でウォークインをして熱意を伝えたら面接に進み、最終的に内定を勝ち取った」という逆転劇は毎年起きています。この「熱意と行動力でチャンスをこじ開けられる」点こそ、ボスキャリの醍醐味と言えるでしょう。
数字上の倍率に惑わされず、この特別な3日間を最大限に活用してください。準備さえしっかり行えば、皆さんのキャリアを大きく開くチャンスが必ず待っています。
