ボストンキャリアフォーラム（ボスキャリ）の準備、進んでいますか？ 限られた時間の中で、事前応募のES（エントリーシート）を何社も作成するのは本当に骨が折れる作業です。「ChatGPTを使って効率化したい」と考えるのは当然のことでしょう。
結論から言うと、AIの使用は「アリ」ですが、丸投げは「即不合格」の元です。
特にボスキャリは、国内選考と違って「書類選考から面接までのスピード」が圧倒的に早いため、AIで作ったESの弊害が出やすいという特徴があります。今回は、ボスキャリ参加者が陥りやすいAI使用のリスクと、人事に評価されるための賢い活用法を解説します。
なぜボスキャリでの「AI丸投げ」は危険なのか
ボスキャリにおいて、AIが書いた文章をそのまま提出するのが危険な理由は、「面接とのギャップ」が即座に露呈するからです。
ボスキャリの面接は、ES提出直後や、ウォークイン（当日応募）ならその場で行われます。面接官は、目の前の皆さんと、手元のESを見比べながら話をします。もし、AIが書いた「流暢すぎる日本語」や「整いすぎた論理」と、実際の皆さんの話し方に乖離（かいり）があると、面接官は強い違和感を覚えます。
「この学生、自分の言葉で話していないな」と一度思われると、そこからの挽回は困難です。
人事はここを見ている！AI利用における3つのリスク
具体的にどのようなリスクがあるのか、整理しておきましょう。
1. 「具体性」が欠如し、印象に残らない
生成AIは、インターネット上の一般的な情報を基に文章を作ります。そのため、「コミュニケーション能力があります」「リーダーシップを発揮しました」といった、誰にでも当てはまるような抽象的な表現になりがちです。 数千人の学生を見るボスキャリの人事担当者にとって、エピソードの解像度が低いESは読み飛ばされる対象となってしまいます。
2. 日本語レベルと会話力の不一致
特に海外大生の皆さんの中には、日本語のビジネスライティングに不安がある方もいるでしょう。しかし、AIを使って完璧な敬語・文法のESを作成し、いざ面接で言葉に詰まってしまうと、「日本語力詐称」と捉えられかねません。 多少拙くても、自分の実力相応の言葉で書かれたESの方が、面接での対話はスムーズに進みます。
3. ハルシネーション（嘘の情報）のリスク
企業研究をAIに頼り切ると、存在しない事業部や、間違った企業理念を引用してしまうことがあります。特に、企業ごとの細かな強みやカルチャーについては、自分で公式サイトやOB・OG訪問で得た情報を基にしないと、大きなミスにつながります。
【比較表】NGな使い方 vs 賢い活用法
では、どうすればAIを有効活用できるのでしょうか。以下の表でチェックしてみましょう。
| NGな使い方（バレる・落ちる） | OKな活用法（時短・質向上） |
|---|---|
| 「志望動機を書いて」とゼロから作成させる | 自分の経験や想いを箇条書きにし、構成案を出してもらう |
| 出力された文章をそのままコピペする | 書いた文章の誤字脱字チェックや、表現の言い換え案をもらう |
| 文字数稼ぎのために内容を水増しさせる | 400字の内容を200字に要約・短縮してもらう |
| 企業分析をAIだけで完結させる | 一般的な業界動向の壁打ち相手として使う |
ボスキャリ内定に近づく！AI活用の3ステップ
AIは「ライター」ではなく「編集者」や「壁打ち相手」として使うのが正解です。以下のステップで活用してみてください。
Step 1. ネタ出しと自己分析の深掘り
まずは自分で「頑張ったこと」や「強み」を書き出します。その上で、AIに以下のように問いかけてみましょう。
「私は学生時代に〇〇の活動をしていました。この経験からアピールできる強みにはどのようなものが考えられますか？多角的な視点で5つ挙げてください。」
これにより、自分では気づかなかった強みの切り口が見つかるかもしれません。
Step 2. 文章構成（骨組み）の作成
エピソードが固まったら、論理的な構成をAIに手伝ってもらいます。
「以下の要素を使って、STAR法（状況・課題・行動・結果）に基づいた自己PRの構成案を作ってください。（ここに要素を箇条書き）」
この時点ではまだ文章化せず、構成（プロット）を作るだけにするのがポイントです。
Step 3. 構成に基づいて、自分で書いてみる
AIに書かせずに自分でエントリーシートの文章を書くことで、思考が深く整理され、実際の面接でも借り物ではない「自分の言葉」として自信を持って語れるようになります。
Step ４. 最終調整と文字数削減
最後に、自分で書いた文章をAIに添削してもらいます。
「以下の文章は、コンサルティング会社のESです。論理的な飛躍がないか指摘してください。また、指定文字数内に収まるように冗長な表現を削ってください。」
これにより、「自分の言葉」を残しつつ、読みやすいESに仕上げることができます。
まとめ：AIは「自分の言葉」を磨くツール
ボスキャリの面接官が見たいのは、AIが作った綺麗な文章ではなく、皆さんの熱意や人間性です。
AIを使うこと自体は悪ではありません。しかし、楽をするために使うのではなく、「自分の想いをより正確に伝えるため」に使ってください。最終的に面接の場で語るのは皆さん自身です。 自分の言葉で自信を持って語れるESを作成し、ボスキャリでの内定を勝ち取りましょう！
