先日の日経新聞に「新卒採用2021年問題」についての記事が掲載されていました。
新卒採用の2021年問題とは
新卒採用の2021年問題とは、2022年以降、22歳人口が減少トレンドに入るため、21年就職戦線から学生の獲得競争が激化する、というものです。
実際、どのくらい減少するのか、2019年に国が発表した統計局のデータを使ってグラフを作ってみました。縦軸は人口(単位1000人)、横軸は2019年現在の年齢です。
グラフを見ると、2021年から減少トレンドが始まり、20年後くらいには100万人を割り込み始めることが分かります。これは容易に予想できる未来なのです。
新卒採用の2021年問題によってどのようなことが起きるか
新卒採用2021年問題によって、次のようなことが起きることが予想できます。
今後のトレンドその1:新卒の青田買いが激化する
企業側で、優秀な新卒をより早い時期に囲い込もうとする競争がさらに激化します。
そのための手段の一つとして、インターンシップの重要性はさらに上がるはずです。実際、インターンシップは学生たちの中ではもう定番の活動になってきています。
以下は、リクルートが発表している就職白書からの抜粋ですが、インターンシップに参加する学生の数が増加傾向にあることが分かります。
企業によっては、通年でインターンシップを受け入れ、お互いを見極める期間を十分取りながら、優秀な人が入れば、いつでもオファーを出すところも出てくるでしょう。
今後のトレンドその2:第二新卒の囲い込みが激化する
新卒採用が予定通り進まない場合、若手社員を獲得するために第二新卒の採用が活発になります。
新卒で入社した会社を3年以内に退職する数は平均3割です。以下は、事業規模別の3年以内の離職者比率です。事業規模が小さくなればなるほど、離職率が高くなる傾向があります。
これは、待遇や人間関係、昇進の機会など様々な要因があります。
今後のトレンドその3:キャリア採用が活発になる
人材採用の難しいところは、人手が足りないからといって、採用活動に妥協はできない、ということです。そのため、良い新卒や第二新卒がいなければより幅広い年齢のキャリア採用が広がっていくはずです。
国は年金問題等もあるため、「一度定年退職したシニア採用のを後押ししようとしています。
まとめ:学生はどうするべきか
3つのトレンドで見てきたように、売り手市場だからといって、決して内定が貰い易くなる訳ではありません。逆に、競争相手が学生だけだったはずが、今後は第二新卒や、キャリア採用の応募者、さらにはシニア人材まで広がることが予想されます。
そのため、学生に求められるのは、自力をしっかりつけ、早いうちから社会との接点を作ることが求められるはずです。僕が学生に戻れるなら、以下のことを努力すると思います。
- 大学の勉強をしっかりやる(成績を重視する企業が一定数いる)
- 積極的にインターンシップに参加し、将来働きたい業界や職種を絞り込む
- 将来働きたい業界や職種で役に立つ技術を学生のうちに習得する
- アルバイト先も、将来働きたい業界や職種に関連したところにする
- プチ起業して、ビジネス全般のプロセスについての理解を深める
- 旅行して、知見を広める
- 読書、読書、読書