就職活動について調べていると、「青田買い」という言葉を目にすることがあるかもしれません。日本の一般的な就活では少しネガティブな文脈で使われることもありますが、ボスキャリにおいては、この「青田買い」こそが最大のチャンスであり、成功の鍵を握っています。
今回は、ボスキャリにおける「青田買い」の実態と、皆さんがそれをどう有利に活用すべきかについて解説します。
そもそも「青田買い」とは？
本来の意味は、稲が実る前（青田の状態）に収穫を見越して先買いすることから転じて、企業が優秀な学生を卒業前の早い段階で確保しようとする採用活動を指します。
日本の経団連のルール（就活解禁時期など）を破って内定を出す行為として批判されることもありましたが、実力主義や通年採用が広がる中、特に外資系企業やベンチャー、そしてボスキャリのようなグローバル採用の場では、ごく一般的な手法となっています。
ボスキャリにおける「青田買い」の実態
ボスキャリに参加する企業の多くは、イベント当日の3日間だけで採用を決めているわけではありません。実は、イベント開催の数ヶ月前から「青田買い」、つまり事前面接と囲い込みが始まっています。
企業がなぜこれを行うのか、その背景を知っておきましょう。
- 優秀な人材の早期確保： グローバル人材は争奪戦です。他社に取られる前に、優秀な学生には早めにアプローチしたいと考えています。
- 当日の効率化： 限られた3日間で数千人の学生が来場します。企業は事前に有望な学生をリストアップし、当日は最終確認や懇親会（ディナー）に時間を使いたいというのが本音です。
- コストの回収： ボスキャリへの出展は企業にとっても多額の費用がかかります。「成果（＝採用）」を確実に持ち帰るため、事前の確約を欲しがります。
「青田買い」される学生になるメリット
皆さんにとって、企業から早めに目をつけられることには大きなメリットがあります。
| メリット | 詳細 |
|---|---|
| 精神的な余裕 | ボスキャリ当日に「持ち駒ゼロ」で挑むのと、事前に面接が進んでいる状態では、心の余裕が全く違います。 |
| ディナーへの招待 | 事前に評価が高い学生は、イベント期間中の夜に行われる「ディナー」に招待されやすくなります。これは事実上の内定祝賀会や、最終意思確認の場となることが多いです。 |
| 特別ルートの選考 | 一般のWalk-in（当日受付）の列に並ぶことなく、予約枠でスムーズに面接を受けられます。 |
ボスキャリ流「青田買い」の攻略スケジュール
「青田買い」の対象となり、早期内定を獲得するためには、イベント当日ではなく開催前の準備が全てです。以下の流れを意識して動き出しましょう。
1. レジュメ登録・応募（6月〜8月頃）
ボスキャリのサイトがオープンしたら、すぐにレジュメを登録し、気になる企業へプレエントリー（応募）を開始します。「早すぎる」ということはありません。人気企業は、この段階で応募してきた学生から順にWeb面接のスケジュールを組み始めます。
2. オンライン面接（9月〜10月頃）
SkypeやZoom、Teamsなどを使ったオンライン面接が行われます。ここで好印象を残せれば、「ボストンで最終面接をしましょう」「ぜひディナーに来てください」という確約を得ることができます。
3. イベント当日（11月）
事前の「青田買い」に成功していれば、当日は最終確認の面接のみ、あるいは内定承諾の手続きだけで終わることもあります。空いた時間で他の企業を見て回る余裕も生まれます。
注意点：「オワハラ」への対処
早期に内定が出る一方で、企業から「他社の選考を辞退してほしい」と迫られる、いわゆる「オワハラ（就活終われハラスメント）」に遭遇する可能性もあります。
もしボスキャリ前に内定が出ても、「第一志望は御社ですが、ボストン現地で社員の方の雰囲気を肌で感じてから最終決断したい」といった誠実な回答を用意しておき、納得のいく就職活動ができるようコントロールしましょう。
まとめ：待っていてはダメ！自分から仕掛けよう
ボスキャリにおける「青田買い」は、悪いことではなく「事前選考による早期内定」というポジティブな制度です。この波に乗れるかどうかが、ボストンでの3日間を天国にするか、過酷なものにするかを分けます。
皆さんが希望するキャリアを掴むために、イベント当日を待たず、今すぐに行動を開始してください。
