「ボスキャリは最終日(3日目)もあるから大丈夫」と考えていませんか?
ボストンキャリアフォーラム(ボスキャリ)における選考において、「勝負は1日目と2日目で決まる」という事実は、何度強調しても足りないほど重要です。最難関企業の一部は、ボスキャリ前にオファーを出していたりします。
実は、企業側の視点に立つと、最終日の会場には独特の空気が流れています。今回は、なぜ最終日の面接がリスキーなのか、そして企業側がどのような心理で最終日を迎えているのかを、実際の事例や採用担当者の視点を交えて解説します。
企業の「本音」が漏れる、最終日の正午
公式スケジュール上、ボスキャリの最終日は午後3時頃まで開催されています。しかし、実質的な「採用活動」は、もっと早い段階で終了しているケースがほとんどです。
過去のボスキャリにおける、ある企業代表の方のSNS投稿を見てみましょう。注目すべきは、その投稿時間です。

この投稿は、最終日の正午前後に発信されたものです。まだイベント終了時刻まで数時間あるにもかかわらず、企業側の視点では「実質的な終了」を感じさせています。
多くの人気企業において、最終日の午後はすでに撤収モード、あるいは内定者との懇親モードに入っているというのが現実なのです。
なぜ最終日の1次面接は「詰み」なのか
もちろん、企業によっては最終日にオファーを伝えるための「最終確認」や「役員面接」を入れている場合もあります。しかし、それはあくまで選考が進んでいる学生の話です。
もし皆さんが、「予約スロットが空いていたから」という理由で最終日に1次面接を入れているとしたら、それは非常に危険な賭けです。
面接官の心理状態を、日程別に比較してみましょう。
| 日程 | 面接官の心理・状況 | 選考の性質 |
|---|---|---|
| 1日目・2日目 | 「良い人材を絶対に逃したくない」 体力・集中力が十分にある。 |
真剣勝負 採用枠を埋めるための積極的な選考。 |
| 3日目(最終日) | 「もう内定枠はほぼ埋まった」 3日間の疲れがピーク。早く帰りたい。 |
消化試合 形式的な面接、または予備枠の確認。 |
最終日に初めてその企業を訪れると、面接官の「消化試合感」に驚くかもしれません。熱意を持ってアピールしても、暖簾に腕押しのような反応が返ってくることが多いのです。
面接官が抱く「マイナスの先入観」
最終日の1次面接が不利な最大の理由は、面接官が抱く無意識のバイアス(先入観)にあります。
すでに優秀な学生には内定を出し切っている状況で、最終日に現れた学生に対して、面接官は次のように考えがちです。
「優秀な人材であれば、まあ考えてもいいかな(採用枠はもうカツカツだけど)」
これだけならまだチャンスはありそうですが、同時に以下のようにも疑っています。
「しかし、本当に優秀な学生なら、なぜこの遅いタイミングで面接を入れてきたんだ?」
「もしかして、うちの志望度が低くて後回しにしたのか?」
「あるいは、事前準備や行動が遅いタイプの学生なのではないか?」
つまり、最終日の面接ブースに入った時点で、「準備不足」または「志望度が低い」というレッテルを貼られた状態からスタートすることになるのです。これを覆して内定を勝ち取るのは、至難の業と言えるでしょう。
【結論】スケジュールは「前倒し」が鉄則
「残り物には福がある」という言葉は、ボスキャリには当てはまりません。
企業によっては選考を続けているところもありますが、それは例外的なケースか、あるいは極めて狭き門です。最終日に一発逆転の望みを託している時点で、戦略としてはすでに「詰んで」しまっています。
皆さんが確実に内定を勝ち取るためには、すべての勝負を1日目と2日目に集中させること。これがボスキャリ攻略の絶対条件です。
