ボストンキャリアフォーラム(ボスキャリ)は海外で開催されるイベントですが、会場内は「完全な日本社会」です。そのため、通常のリクルーティングスーツを着用することが暗黙の、しかし絶対的なルールになっています。
しかし毎年会場に行くと、驚くことに私服に近い服装や、派手な髪型、無精髭の学生をちらほら見かけます。厳しい言い方になりますが、そういった「奇をてらった外見」は、ボスキャリという場において「TPOを理解していない」と判断され、その段階で既にアウトです。面接の中身を聞いてもらう前に、つまらないポイントで損をしないよう、身だしなみには十分注意しましょう。
女性の服装・身だしなみ
基本は日本の就職活動と同じスタイルです。「個性を出す」のは服装ではなく、履歴書と面接の内容にしましょう。
色はダークグレーや黒、濃紺が一般的です。ジャケットの形はテーラードカラーで、シングルの2つボタンや3つボタンが主流です。ボトムスはスカートでもパンツスーツでも問題ありませんが、動き回ることが多いため、パンツスーツを選ぶ学生も増えています。

ブラウスは白が最も無難で清潔感があります。淡いピンクや水色なども許容範囲ですが、業界によってはカジュアルすぎると捉えられることもあるため、迷ったら白を選びましょう。
| アイテム | ポイント |
|---|---|
| スーツ | 黒・紺・ダークグレー。無地がベスト。スカート丈は座った時に短くなりすぎないように注意。 |
| インナー | 白のブラウス・スキッパーシャツが基本。胸元が開きすぎていないかチェック。 |
| 足元 | 黒のパンプス。ストッキングは薄地の肌色(予備を必ず持参すること)。 |
| 髪型・メイク | お辞儀をした時に髪が顔にかからないようにまとめる。メイクはナチュラルかつ健康的に。 |
男性の服装・身だしなみ
男性の場合も、奇抜な服装は避け、ベーシックに徹することが内定への近道です。
スーツの色は黒や紺が一般的です。最近のトレンドとしてはシングルの2つボタンが主流ですが、3つボタンでも問題ありません。これに白(または淡い青)の無地のシャツと、シンプルな柄のネクタイを合わせ、全体的に「誠実さ」を感じさせるシックなイメージにまとめましょう。

靴下は必ず黒か紺のビジネスソックスを着用してください(白いスポーツソックスは厳禁です)。
| アイテム | ポイント |
|---|---|
| スーツ | 黒・紺の無地または目立たないストライプ。サイズ感が合っていることが最も重要。 |
| シャツ | 白の無地が鉄板。アイロンがしっかりとかけられていること。首周りのサイズも重要。 |
| ネクタイ | 青やエンジなど落ち着いた色味のストライプやドット。派手な柄は避ける。 |
| 髪型・髭 | 清潔感が命。長髪は避け、耳や眉毛が出るように整える。髭はきれいに剃ること。 |
足元とバッグの選び方
ビジネスシューズはスーツに合わせて黒を選ぶのが鉄板です。メーカーは「REGAL(リーガル)」などが定番で信頼できます。安い靴はすぐに足が痛くなる可能性があります。ボスキャリの会場(ハインズ・コンベンション・センター、BCEC)は非常に広く、1日に数キロ歩くことも珍しくありません。履き慣れた、歩きやすい革靴を用意してください。

ビジネスバッグもスーツに合わせたベーシックなものを選びましょう。自立するタイプ(床に置いた時に倒れないもの)が面接時に便利です。もし予算に余裕があるならば、「TUMI(トゥミ)」などの定番ブランドがおすすめです。1万円前後の安物を買うよりも、耐久性が高く機能的なバッグは就職後も長く使えるため、結果としてコストパフォーマンスが良くなります。

【重要】ボストンの寒さ対策
11月のボストンは非常に寒く、雪が降ることもあります。会場内は暖房が効いていますが、移動中は厚手のコートが必須です。
- コート: トレンチコートやウールのコートが望ましいですが、会場に入ってすぐにクローク(Coat Check)に預けるため、ダウンジャケット等でも大きな問題にはなりません。
- インナー: 会場内は熱気で暑くなることもあるため、温度調節しやすい服装がおすすめですが、寒がりの方はヒートテックなどの機能性インナーを着用しておきましょう。
皆さんが第一印象で損をせず、万全の状態で面接に挑めることを応援しています!
