近年、ボストンキャリアフォーラム(ボスキャリ)においてもインターンシップの募集枠は増加傾向にあります。しかし、一言で「インターン」と言っても、その内容は企業によって千差万別です。
「とりあえず応募してみよう」と手当たり次第に受ける前に、そのプログラムが自分の目的に合っているかを見極める必要があります。今回は、ボスキャリ参加者が押さえておくべき「インターンシップを選ぶ5つのポイント」を解説します。
ポイント1:本採用(フルタイム)へのオファーに直結するか?
ボスキャリにおけるインターンシップ選びで最も重要なのが、「内定直結型かどうか」という点です。
内定直結型の特徴
プログラム終了後に、人事部と受け入れ先の事業部が皆さんのパフォーマンスを評価し、優秀者にはそのまま「フルタイム(正社員)の内定」が出ます。特に外資系投資銀行やコンサルティングファーム、一部のグローバルメーカーではこのルートが一般的です。
注意すべきリスク
「内定が出なくても、また本選考を受ければいいや」と軽く考えてはいけません。内定直結型プログラムでオファーが出なかった場合、その企業の本選考での内定獲得は極めて困難になります。
なぜなら、数週間という時間を共に過ごした上で「オファーを出さない」と判断されているため、書類と面接だけの本選考でその評価を覆すのは至難の業だからです。「インターン参加=真剣勝負」であることを忘れないでください。
ポイント2:待遇(有給か無給か)
インターンシップには、給与が発生する「有給」のものと、「無給」のものがあります。これは単にお得かどうかの話ではなく、業務の「本気度」を見極める指標になります。
| 種類 | 特徴 | 目的 |
|---|---|---|
| 有給 | 実際の現場でリアルな業務に従事するケースが多い。責任も伴う。 | 実務能力の証明、内定獲得 |
| 無給 | 企業説明会やグループワークが中心。教育的要素が強い。 | 業界研究、企業理解 |
無給だからダメというわけではありません。自分のフェーズが「業界を知りたい」段階なら無給の1dayプログラムも有効ですし、「実力を試したい」なら有給の長期プログラムを選ぶべきです。
ポイント3:実施場所(日本か海外か)
ボスキャリで募集されるインターンシップの多くは、夏休み期間などを利用して「東京(日本本社)」で実施されるケースが一般的です。
一方で、監査法人(Big4)のUS採用枠などは、アメリカ国内のオフィスで実施されることもあります。日本で実施される場合、海外大生の皆さんは飛行機での移動が必須となります。「交通費や宿泊費の補助が出るか」は事前に要項をよく確認しておきましょう。
ポイント4:実施時期とスケジュールの調整
ここが留学生にとって最大の悩みどころです。日本の大学と異なり、海外大学(特にQuarter制やTrimester制の大学)は、日本の夏休み期間と学期が被ってしまうことがあります。
「いつバケーションを取って参加するのか」「授業を休んでまで参加する価値があるか」を慎重に検討する必要があります。無理なスケジュールで参加して学業がおろそかになったり、インターンでパフォーマンスが出せなかったりしては本末転倒です。
ポイント5:プログラムの内容(3つのタイプ)
インターンシップの中身は、大きく分けて以下の3つのタイプに分類されます。自分が求めている経験はどれか、確認しましょう。
1. プロジェクト型(コンサル・課題解決系)
特定の期間(数週間〜数ヶ月)、実際のビジネス課題や仮想プロジェクトにアサインされ、チームで解決策を提案します。コンサルティング業界などでよく見られる形式です。
特徴:
- 有給かつ高額なケースが多い
- フルタイム内定に直結する可能性が非常に高い
- 社員同様のトレーニングやフィードバックが受けられる
2. 通常業務型(実務実践系)
企業の実際の部署に配属され、社員のアシスタントや特定の業務を担当します。ほぼ「アルバイト」や「契約社員」に近い働き方です。
例:
- ディズニー・カレッジ・プログラム(フロリダ等のパークで実際に勤務)
- IT企業のエンジニアインターン(開発チームに入ってコーディング)
期間が数ヶ月〜1年と長期間に及ぶことが多く、履歴書に書ける強力な職務経歴になります。
3. 会社説明会型(1day・体験系)
企業側は「インターンシップ」と呼んでいますが、実態は「会社説明会の拡大版」や「グループワーク選考」です。
内容の例:
- 業界や業務の基礎講座
- 簡単なロールプレイングやグループワーク
- 社員との座談会
期間は1日〜数日で、基本的に無給です。海外からわざわざこのためだけに帰国するのはコストパフォーマンスが悪い場合もあるため、一時帰国のタイミングと合うかどうかが判断基準になります。
まとめ
ボスキャリでのインターンシップ選びは、単なる職業体験ではなく、「キャリアの第一歩」を決める重要な選択です。
特に「内定直結」を狙う皆さんは、ポイント1とポイント5を重視して、自分が最もパフォーマンスを発揮できる環境を選んでください。
