ICE、すべての授業がオンラインの場合、留学生にビザを発給しないと表明

7月上旬に、米移民税関捜査局(ICE)は、すべての授業がオンラインの場合、留学生にビザを発給しないと表明しました。

移民・関税執行局は、英語ではU.S. Immigration and Customs Enforcementと呼ばれ、略してICE(アイス)とも呼ばれています。この組織は、アメリカ合衆国の移民法および関税法を執行し、米国内の多国籍組織および外国人の犯罪およびテロ行為を調査することを目的とした米国連邦政府の国土安全保障省(DHS)に属する機関です。

米国には100万人を超える学生が留学しており、日本からの留学生も約1万8000人がアメリカの高校、英語学校、大学、大学院に進学しています。 今回の方針は、これらの日本人留学生にも大きな影響を及ぼすことになります。

決定の背景

今回の決定の背景には、経済同様、大学を通常の状態に戻したい、というアメリカ・トランプ大統領の意思が働いていると言われています。

トランプ大統領は、アメリカの教育機関に、秋には通常の授業を再開するよう求めていて、ツイッターで「学校は秋に開くべきだ」とICEの方針を支持するツイートを発信しています。

アメリカに在住したままオンラインに移行した留学生に影響

アメリカの教育機関では、コロナ禍の中、次々にオンライン形式に移行しています。オンライン形式への移行にあたり、アメリカの教育機関に留学中の日本人は3つの種類がいます。

  1. アメリカに在住し、対面式の授業を受ける留学生
  2. アメリカに在住し、オンラインで授業を受ける留学生
  3. 日本に帰国し、オンライン授業を受けている留学生

アメリカ政府は、基本的に1の留学生しか受け入れない方針のため、2に該当する場合、ICEは留学先の大学や高校から「対面式の授業を行っている」との証明書を受け取り提出することを義務付ける方針です。

条件を満たせない場合は、学生に帰国するか対面式を採用する学校へ転校するか求めることになります。

3の学生に関しては、すでに帰国して授業を受けている訳ですが、ビザは取り消しされることになるはずです。3の学生は、コロナ禍が落ち着くまで一時的に帰国したと考えてたはずですが、米政府によって突然ハシゴを外された格好です。

7月14日、アメリカ政府は今回の措置を撤回すると発表

ハーヴァード大学とMITは、政府の方針撤回を求めて提訴。59校の大学がこの動きを支持し、裁判の準備書面に署名。マサチューセッツやカリフォルニアなど少なくとも18州の司法長官も政府を提訴しました。

というのも、アメリカには毎年、数多くの留学生が渡航し、2019年にはFビザを38万8839人、Mビザを9518人に発給されています。これらの留学生の多くが授業料全額を支払うため、大学にとっては重要な収入源となっており、アメリカ政府は大学から大きな反発を受けました。これらの学生たちによる経済効果が約4兆8000億円以上というのですから無理もありません。

結局、教育機関からの大きな反発を受けて、アメリカ政府は7月14日に今回の措置を撤回すると発表しています。